手がけた衣装がアンティークになる日を思って

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スタッフインタビュー

DESIGNER

手がけた衣装が
アンティークになる日を思って

子どものためのドレスやデイリーウェアをレンタルやオーダーで展開しているブランド「météore(メテオール)」。アンティークやヴィンテージの質感、手作りのぬくもりを大切にするデザイナーの高松 祥さんに、STUDIO MARLMARLのために生まれたドレスについてうかがった。

Interview & text : Satsuki Gushiken

繊細な衣装の根底にある、ものづくり精神

独特の存在感を放つ男の子のセットアップと女の子のドレス。
STUDIO MARLMARLのためだけの一点ものの衣装は、デザイナー・高松さんが選んだ上質な素材と繊細な手仕事で作り上げられている。

「僕の作り上げた衣装が大切に受け継がれて、いつか時を経てアンティークとして在り続けていたらいいなと思っています。僕の願いというか、ものづくりの根底にある思いです。」

ひとりの手で紡ぎ出される世界観

ひとつの衣装が完成するまでには、通常たくさんの職人の手を介する。
その工程のすべて、デザイン画や素材選び、パターン作成に縫製まで、すべての服作りの工程を高松さんひとりで手掛けている。

「ひとりで服作りの全工程に携わることにプレッシャーを感じることもありますが、この環境だからこそ細部へのこだわりや、僕が表現したい世界観を作り出せるとも思っています。」

ディテールに宿る美しさ

描いたイメージに添うよう、素材選びも入念だ。
アンティークやヴィンテージのレース、ボタンや生地を用いることも多い。

「受け継がれてきた物に対する責任というか、大切にしなければと扱いには注意を払っています。
アンティークの物が違和感なく組み合わせられるように、僕が作る部分にも長い年月が経ったような風合いが出るように手を加えています。

今回の衣装では、ドレスのコルセット生地やレースが手染めしています。
また、スミレの花のコサージュは、生地を染め、花弁を切り出し、茎まで全て手作りしています。衣装のイメージに合った、儚げな印象に仕上がったと思っています。」

時を経た素材と現代の素材が調和するよう手間暇を惜しまぬ姿勢が、美しいディテールを生み出している。

子どもが身に付けることで衣装に命が宿る

夜空に流れる星のように、小さな幸せを届けたいという思いをブランド名に込めた「météore」。「子どもたちが衣装を身にまとった時、まるで衣装に命が宿ったようで、その瞬間、格別な喜びを感じる」と話す。

「衣装を身に付けるお子様はもちろん、お子様を見ているまわりの方々にも幸せな気持ちになっていただけたら、と願っています。」