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受け継がれる美を子どもたちへ 新和装衣装誕生の裏側をインタビュー

2025.09.30

芝公園店限定の和装衣装として新登場した「花影」「墨影」には、浅草の花柳界から譲り受けた特別な着物が使われています。
日本の伝統を紡いできた着物が、今度は子どもたちの“大切な日”を彩る衣装へ。 今回は、浅草花柳界を支えるお二方にお話を伺いました。
着物に込められた背景や想い、そして私たちにとっては“非日常”である花柳界の世界についても教えていただきます。

江戸情緒が残る下町・浅草

今回は、普段は立ち入ることのできない「浅草見番(けんばん)」を訪ねました。 見番とは、芸者衆の稽古や手配などを担う、花街の中心的な施設です。

今回お話を伺ったのは… ・東京浅草組合 副組合長 河村英朗さん ・置屋はなぶさ 芸者 千歩さん

Q.河村さんと千歩さん、それぞれ自己紹介をお願いします

河村: 現在は東京浅草組合(※1)の副組合長を務め浅草花柳界(※2)の復興に力を入れています。 本業はご宴会や催事における芸者衆の派遣や催しの企画等をする会社を経営する傍ら、母が営む都鳥という料亭内にある会員制のバーを運営してます。また去年から置屋(※3)「はなぶさ」を立ち上げ、芸者衆の育成も始めました。 千歩: 2021年に浅草花柳界に半玉(※4)として入りまして、 去年の11月より「置き屋はなぶさ」から一本立ちして芸者になりました。 (※1)浅草芸者の組合 /(※2)芸者の世界 /(※3)芸者さんのプロダクション /(※4)芸者の見習いのこと

Q.ずばり花柳界とはどんな場所なのか、分かりやすく教えていただけますか

河村: 簡単に言えば江戸時代から続く水商売の世界です。 ただし、現代は様子がかなり変わってきていて、風俗というよりは日本の伝統文化を体験しに来る感覚でいらっしゃる方が多くなってきたように感じます。

Q:なるほど、時代とともに変化しているんですね。花柳界という独特な世界に入られたきっかけを教えてください。

河村: 祖母の代から芸者稼業をしていたので入ったというより生まれた時からいたと言うか。だたし、実際にお仕事として入ったのは2013年です。 花柳界は基本的に女性の世界なので、男性が入るのは本当に特例中の特例なんです。周囲の反対を押し切って飛び込みました。 バブル期を境に花柳界が元気を失っていく姿を間近で見てきて、「このままではいけない、何とか次の世代につなげたい」という想いが強くなったんです。 その気持ちを原動力に続けてきたことで、ありがたいことに今こうしてこの立場を任せていただいています。 千歩: 20歳くらいのころに、初めて浅草の芸者衆を見て「綺麗だな」と憧れたのがきっかけです。 確か浅草の観光センターなど、一般の方でも観られるイベントで拝見したんだと思います。そこで心を惹かれて、この世界に入りました。 河村: 浅草の花柳界って、踊りの会や三社祭など、町のさまざまな行事に芸者衆が参加するんです。 東京に六つある花街(※5)の中でも、浅草は特に地域に密着したお仕事が多いと思います。 (※5)東京には浅草以外に、新橋・赤坂・神楽坂・向島・芳町の六つの花街があります

Q:そんな伝統を守る浅草の花柳界から受け継いだ今回のお着物ですが、どのような場面で着られていたものですか?

河村: 92歳まで日本で一番長く現役だった芸者、ゆう子姐さん(※6)の着物です。 千歩: お座敷着というよりは、普段のお出かけや踊りの舞台で着ていたものだと思います。 (※6)浅草ゆう子 / あさくさ ゆうこさん 1923年、東京・本所生まれ。13歳で浅草の芸者置屋「新菊の家」に奉公に入り、16歳で芸者に。 20歳で独立し、52歳で「新菊の家」の看板を譲り受ける。 浅草花柳界を代表する著名な芸者の一人で、現役最高齢の売れっ子芸者として知られていた。

— 勝手ながら、きらびやかな世界をイメージしていたので、シックなお着物もあるんだと驚きました

千歩: そうなんです。年齢が上がるにつれて、落ち着いた色や柄の着物になっていきます。 若いころの着物は、下の世代の芸者に譲ってしまうんですよ。こうして代々、着物を受け継いできています。

Q:STUDIO MARLMARL に着物を託そうと思った経緯を教えていただけますか?

河村: 浅草の花柳界をより多くの人に知ってもらうには、若い世代との接点が不可欠だと考えました。 もともとは夜の遊びの世界だったんですが、今では伝統文化を楽しむ場所でもあります。 一般の方には少し取っつきにくい世界かもしれませんが、STUDIO MARLMARL を通して知っていただくきっかけになればと思い、着物を託しました。

Q:ありがとうございます。「子どもの未来もギフトに」をミッションに、 日本の伝統文化を伝えていきたい私たちにとっても、願ってもいない取り組みでした。実際の衣装を見ていかがでしたか?

千歩: 私自身が小さかったら、このお着物を着たかったなと思います。 この衣装は、小さな子どもでも着やすいように二部式(セパレート)になっていますよね? 私の七五三のときの写真は、着物が苦しくて全部泣き顔の写真ばかりだったんですよ(笑)。 河村: 着物を子ども用に仕立て直せたのも、ゆう子姐さんが着物を大切にする“美意識”があってこそだと感じました。 七五三は、日本の文化に触れる最初の大切なお祝い事です。こういう機会を通じて、着物にも興味を持ってもらえたらと思います。

Q:最後に、この和装衣装で写真を残すご家族に向けてメッセージをお願いします。

河村: 着物が残っているということ自体、それだけ芸者さんたちが愛情を込めて大切にしてきた証だと思います。 それを新しい世代の子どもたちに着てもらえることは、まさに大切に紡がれてきたものが次につながる瞬間です。物を大切に扱うことで、また次の世代へ継承されていく。そんな日本の美徳も感じていただければと思います。 千歩: 私たちが大切に受け継いできたものを、こうして新しい着物にして子どもたちにも着てもらえるのは、本当に嬉しいです。 浅草組合では、伝統芸能に気軽にふれられるイベントも開催しています。少しでもご興味があれば、ぜひ遊びにいらしてくださいね。

長年大切にされてきた浅草花柳界の着物が、新しい命を吹き込まれました。 伝統を紡ぎ、次の世代へつなぐ... そんな日本の美徳や温かさを感じながら、ぜひお子さまと一緒にこの“非日常”の撮影体験を楽しんでいただければと思います。 ▶︎撮影のご予約はこちらから。

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